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水戸地方裁判所 昭和59年(わ)884号 判決

本店の所在地

石岡市府中一丁目一番九号

法人の名称

大成商事有限会社

代表者の住居

石岡市国府三丁目二番三号

代表者の氏名

徳山皓徹こと 李基

国籍

韓国

住居

石岡市国府三丁目二番三号

職業

会社役員

徳山皓徹こと李基

一九二六年一一月二八日生

右の者に対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官金子良隆出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

1  被告会社大成商事有限会社を罰金二一〇〇万円に、被告人李基を懲役一年四月に各処する。

2  被告人李基に対しこの裁判の確定した日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社大成商事有限会社は、石岡市府中一丁目一番九号に本店を置き、遊技場の経営等を目的とする資本金四〇〇万円の有限会社であり、被告人李基は、被告会社の代表取締役として被告会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人李基は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、収入の一部除外、仕入れの水増計上などの方法により所得を秘匿したうえ、

第一  昭和五五年八月一日から昭和五六年七月三一日までの事業年度における、被告会社の実際所得金額が一億二一一万八八九八円であったにもかかわらず、昭和五六年九月三〇日、土浦市城北町四番一五号所在の土浦税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が八七〇万五三六円で、これに対する法人税額が二六九万四〇〇〇円である旨の虚偽の法人税額確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額四一九二万九五〇〇円との差額三九二三万五五〇〇円の法人税を免れ

第二  昭和五六年八月一日から昭和五七年七月三一日までの事業年度における、被告会社の実際所得金額が六七四六万一六二六円であったにもかかわらず、昭和五七年九月二八日、前記税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二一七二万七九〇二円で、これに対する法人税額が八一六万五三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額二七三七万三六〇〇との差額一九二〇万八三〇〇円を免れ

第三  昭和五七年八月一日から昭和五八年七月三一日までの事業年度における、被告会社の実際所得金額が八九八三万七四五二円であったにもかかわらず、昭和五八年九月二九日、前記税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二六八〇万六九八二円で、これに対する法人税額が一〇二四万五五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の方法により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額三六七一万八五〇〇円との差額二六四七万三〇〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示事実全部について

一  被告人李基の当公判廷における供述

一  被告人李基の大蔵事務官に対する質問てん末書(一九通)

一  被告人李基の検察官に対する供述調書

一  海老根正義(七通)、中島史雄(三通)、西山久仁及び岡野万知子の大蔵事務官に対する質問てん末書

一  大蔵事務官松下正隆作成の修正貸借対照表(三通)及び脱税計算書(三通)

一  土浦税務署長宮下辰生作成の証明書(二通)

一  大蔵事務官松下正隆作成の現金・預金調査書

一  大蔵事務官坂本昭久作成の商品調査書

一  大蔵事務官松下正隆作成の代表者勘定調査書、仮払源泉所得税調査書、建物附属設備調査書、工具、器具、備品調査書、未払費用調査書、未納源泉所得税調査書、長期未払金調査書、未納事業税調査書、増差所得(B/S)調査書、その他所得(B/S)調査書、売上高調査書及び仕入高調査書

(法令の適用)

第一被告会社大成商事有限会社

1  判示各行為について 法人税法一五九条、一六四条一項

2  併合罪の処理について 刑法四五条前段、四八条二項

第二被告人 李基

1  判示各所為について 法人税法一五九条一項(懲役刑選択)

2  併合罪の処理について 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条犯情の最も重い判示第一の罪の刑に法定の加重)

3  刑の執行猶予について 刑法二五条一項

(裁判官 立原彦昭)

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